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伊万里市 その5【陶器】

伊万里の地で、独自のやきものの世界を築く。
文祥窯「伊万里唐津」
(伊万里市二里町)
【動画】IMARIの港を望む薪窯で焼く「伊万里唐津」(1:30)

磁器から陶器に変えた、その理由。

伊万里大川内山に始まる文祥窯は、先代までは他の伊万里の窯元と同様に磁器作りを主としてきました。当代の馬場敏夫さんが陶器主体に変え、30年前に腰岳の中腹に窯を移し、現在すべての作品を薪窯で制作しています。

文祥窯が陶器へ移行した理由の1つは磁器生産の変化。昔の磁器は職人の高度な手仕事で作られましたが、それでも商品化できないものや2級品が大量にできました。それらが販売されたのが昔の陶器市です。

生産技術の向上で高品質の磁器を量産できるようになり、職人の技は必要とされなくなり面白味は失われました。そんな中、手仕事による創作性の高い器づくりを究めるために、文祥窯は陶器の道を選んだのです。

伊万里は「唐津焼の地」でもある。

もう1つの理由が伊万里の陶器の歴史。「唐津焼」が有名な佐賀の陶器ですが、唐津焼は唐津・伊万里・武雄などの一帯で焼かれたもの。 伊万里には数百もの唐津焼の窯跡があり、いわば唐津焼の中心地でした。

伊万里湾を見下ろす腰岳で、山で採れる陶土や磁石、釉薬、薪などの材料を用いて陶器を焼く。 色鍋島など磁器のイメージが強い伊万里であえて陶器を焼くことで、より自由な創作と伊万里の歴史や風土を語ることのできる独自のやきもの=「伊万里唐津」の世界を築くことができます。

やきものの味わいを究める。

文祥窯では当代の他、奥様の馬場涼子さん、息子さんの馬場光二郎さんが作陶を行います。 創作性を重視し各々が作りたいものを作る文祥窯で、光二郎さんは有田の陶石「泉山陶石」による初期の有田焼の復刻に取り組んでいます。 不純物の多い泉山陶石による磁器づくりはたいへん難しく歩留まりも悪いのですが、古伊万里に通じる味わいがあります。

文祥窯の陶器では、焼き締めなどに金彩・銀彩を大胆に施したシリーズが人気。現代の暮らしに映える華やかさと素朴な味わいが共存する独自の魅力があります。

伊万里港を見下ろす地で、悠久の川の流れを感じながらやきものの味わいを究める。それが「文祥窯流」なのです。

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