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第3話 【農業】

エネルギー技術者になるのが夢だった。
でも実家の農業を継いだ。その訳は?
木下堂 木下健一さん
(佐賀県佐賀市富士町)

【動画】野菜はエネルギーの原点(2:43)

中学生が山の中で考えた「エネルギーが重要な時代になる」未来

佐賀県佐賀市富士町古場地区。 山あいの冷涼な気候を生かした夏場の高原野菜や、清らかな水で作る棚田米など美味しい作物が育つ土地です。

ここの農家に生まれた育った木下健一さん。 少年期の有り余る山の時間と持ち前の思考力で「これからはエネルギーが重要な時代になる」と考え、エネルギーに関わる仕事をすることを目標としました。

しかし首都圏の国立大学に進み、流体力学を専攻し、進学か就職かを考える中で、どうしても拭えない違和感があったそうです。

「都会暮らし」への違和感

それは大学生活の中でずっと感じていた違和感。 周りは楽しそうなのに、自分は楽しめない。 働く人々の姿に憧れる気持ちを持てない。 自分はここで働き続けられるのか?働きたいのか? 目標の実現に向け進んでいただけに、悩みは深かったそうです。

そんなとき閃いたのが「食って、エネルギーだよな。」 木下さんは進学も就職もせず、実家に帰り農業を始めます。 お父様はカンカンで、しばらく口を聞いてくれなかったそう。 でも中学生にして社会のエネルギー問題を考えていた木下さんが、都会の大量消費文化に馴染めなかったのは当然かもしれません。

木下さんが考える「美味しい野菜」とは

実家に戻り、試行錯誤を重ねて辿り着いた現在のスタイルは、 「普段使いの野菜を作る」「シンプルに美味しい野菜を作る」こと。

スーパーで売れるための色鮮やかさや、自然派に受けるための完全有機野菜の看板は求めない。 美味しい野菜を作るためだけに集中し、工夫を重ねる。

木下さんの考えるおいしい野菜の特長は「あと口の良さ」。 化学肥料を吸った野菜は後口が悪い。だから有機肥料を使う。 土壌を分析し不足する無機物は必要なだけ補う。 明確なゴールを定め、しっかり分析考察し対処する。 流体力学を専攻した木下さんらしい論理的アプローチです。

地元で開催した音楽イベントで奥様と知り合い、2人の子供に恵まれ、孫に囲まれた幸せそうな親と暮らす。 美味しい野菜に子供たちが次々と手を伸ばす。 こだわりの飲食店や遠方から注文が入る。 農業を始めたいと木下さんの下に仲間が集う。

都会を離れ実家に戻り、佐賀の山の奥でそんな日々を木下さんは送っています。

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